日々たんたん スイス編

スイスの生活。最終形でアップしていないので内容変更あり。

夏目漱石

f:id:paulchen:20210728194206j:plain引越しの準備で洋服などの断捨離をしている。本棚を片付けようと思ったが、日本語の本は貴重すぎてどれも捨てられない。

最初にスイスに持ってきた本の中に夏目漱石の「私の個人主義」がある。高校の担任が現代文の先生で卒業時に各自にあった本をプレゼントしてくれた。この本が大学受験で救世主となるのである。

小学生以来読んでいなかった夏目漱石との再会は「こころ」で、高校の現代文で「こころ」を一冊読んで半年ぐらいかけて授業をしたとき、初めて現代文が面白いと思ったのだった。その後、図書館で漱石の「行人」なども読んでみるが、授業の解説が面白かったからか、「こころ」が今でも一番心に残っている。そのため卒業時に漱石の本を頂いたときは嬉しかった。

その後、浪人時代小さな予備校に通い、入試で論文が出る大学を受けるために論文の授業をとっていた。当時論文が入試にある大学は少なく、せっかくだからと後に母校となる大学もついでに受けたのだけれど、倍率が高く宝くじに当たるようなものだから受けるのは無駄だと講師に言われていたのだった。

たまたま受験の時期に夏目漱石の「私の個人主義」を読み返していて試験問題をみた時、題材として使えそうなので嬉々として書きあげ、無事合格できたのだった。漱石様のご恩は忘れない。その後、予備校の講師から何を書いたのか教えて欲しいとお昼をご馳走してもらったものの、すでにほぼ書いた内容を忘れていたのであった。

大学は独文を専攻。英語以外の語学を勉強したいという理由で適当に選んだ学科が独文なのである。正直スイスにいて独文でしたとは恥ずかしくてとても言えない。。

ドイツ語の名詞は男性、女性、中性と三つあり冠詞がそれぞれ違う。難しすぎて入学後、早々に興味を失ったのだった。試験は毎回、丸暗記で乗り切ったためドイツ語は身に付かず全く勉強しない4年間。

スイスに来て初級からドイツ語を全部やり直し、まだ勉強中の身である・・

とはいえ、当時ドイツ語を無意識に選んでいたのは今でも不思議で、一応大学の勉強と今の生活は繋がっているのだ。とポジティブに捉えることにしている。

あ。スティーブ・ジョブズの点と点の話に似てるかもしれない。ただし、ちゃんと大学時代勉強していればの話だけど、、