昔、スイスのエレベーター会社シンドラーが日本で死亡事故を起こし、それ以来シンドラーは日本から撤退した。
義兄はシンドラーの技術者で世界で何人かしかいない特殊技術を持っているので、世界中を飛び回っている。他の人が修理できず、訴訟になりそうになると義兄がだいたい呼ばれるのだった。
日本の死亡事故の件でシンドラーが謝罪しなかったのが失敗だと義兄に昔、言ったら、シンドラーは他の会社にメンテナンスを頼んでいたので、自分達がしたことではないから謝らなかったのだと言っていた。謝るとこちらでは訴訟になると大変なことになるからだ。
いまいち日本人的には理解できないが、仕事を分担した場合、例え纏める立場にいても自分達がしていない仕事は自分達には責任がないというのがこちらの考えである。
大元が謝まるのが道理であり、謝っても日本では訴訟の判決には関係ないという日本文化を理解している人を会見の際に雇わなかったのが最大の失敗だったと思う。
今回の大谷選手の件で、このシンドラーの事故を思い出したのだった。文化の違いは事件、事故が起きた時の対応の仕方に如実にあらわれる。